2011年10月15日土曜日

尿道閉塞

最近、尿道閉塞で来院された患者さんが続きました。
そこで、今日はこの病気に関してご紹介いたします。

膀胱から体外に尿が排泄されるまでの通り道を尿道といいます。
尿道閉塞はこの通り道が何らかの原因で詰まってしまい、おしっこが出来なくなってしまう状態をいいます。

膀胱に形成された結石や砂が閉塞の原因となることが多く、殆どが男の子におこります。
男の子のペニスの先端部位の尿道は長くとても細いため、膀胱で作られた結石や砂がこの部位に詰まりやすいからです。


<ネコちゃんの尿路の模式図>
ペニスの先端に近づくと尿道はとても狭くなります。

尿道閉塞がおこり、おしっこが出ない状態で36~48時間経過すると、尿毒症という状態になり命の危険性が出てきます。

初期には、
・排尿ポーズを頻繁にするがおしっこがでない。
・トイレで長いこと座っている。
・落ち着きがなくなる。
・やたらとペニスを気にするようになる。
という症状がみられます。
症状が進行すると、これに「元気・食欲の低下、嘔吐」等がみられ、(前述のように)尿毒症という命にかかわる状態になります。

今回の患者さん達の中にも、すでに尿毒症になってしまっている子がいました。
現在は、治療により尿毒症の状態は改善していますが、もう少し治療を先延ばししてしまうと命の危険性があった状態でした。


寒くなるこれからの時期に発生が多くなる病気です。
早めの対処がとても重要な病気ですので、上記のような症状がみられる場合はお早めにご来院ください。


「 ぼくも きをつけます 」




≪獣医師  大島≫

0 件のコメント:

コメントを投稿