4月も中盤に差し掛かり、本格的にフィラリア予防のシーズンになってきました。
フィラリアとは蚊によって媒介され、ワンちゃんやネコちゃんの心臓や血管に寄生する虫のこと
です。フィラリアが寄生すると血液循環に影響を与えることで様々な障害をおこしてしまいます。
当然、フィラリアが原因で命をおとしてしまう危険性もでてきます。
寄生してしまうと駆虫することがほぼできませんので、しっかりと予防してあげてください!
動物病院にて血液検査を受けた後、フィラリア予防薬を受け取ってあげて下さい。
当院では、フィラリア予防薬の投与期間は毎年6月から12月までをお薦めしております。(蚊の発生が早い地域では5月からの投与をお薦めしています。) 毎月1日にお薬を与えてあげて下さい。
当院で良く質問されることを以下に記載します。
Q1: フィラリア予防薬を飲み始める前になぜ血液検査が必要なのですか?
お薬を安全に飲むためです。フィラリアが寄生しているワンちゃんにお薬を投与すると最悪
の場合、ショック死してしまうことがあります。したがって、フィラリアが寄生していないことを
必ず確認する必要があります。
Q2:予防薬を飲ませていれば検査をしなくてもよいですか?
いいえ。検査が必要です。予防薬を確実に投与していてれば、ほぼ100%の確立でフィラリア
は予防できます。 しかしながら、飼主さまの知らない所でお薬を口から出してしまっていて
上手く投薬できて いなかったり、下痢をしていてお薬が上手く吸収できていない為に稀に感
染してしまうことがあります。したがって、予防薬を投与しているワンちゃんでも検査は必要
になります。
Q3:今現在、蚊が発生しているのですが、お薬を飲まなくても大丈夫ですか?
大丈夫です。フィラリアのお薬は予防薬という名前は付いていますが、正式には
フィラリア子虫
駆虫薬です。ワンちゃんやネコちゃんが蚊に刺されて、フィラリアが体内に侵入した後、
しばらく皮膚の下や筋肉で成長していきます。そして、その後血管の中に入り込んで
いきます。この予防薬というのは、血管の中に入り込む前の段階で、フィラリアを駆虫する
お薬です。したがって、フィラリア予防薬を投与するということは、飲み始める1ヶ月前までに
蚊にさされて皮膚の下や筋肉にいるフィラリアをまとめて駆虫しているということになります。
つまり、蚊の発生時期から1ヶ月遅れてお薬を投与すれば大丈夫です。
Q4:フィラリア予防薬は猫にも投与したほうがよいのですか?
お薦めしております。近年ネコちゃんにも意外とフィラリアの寄生がみられることが報告され
てきております。ネコちゃんの場合、ワンちゃんの5~15%程度でフィラリアに寄生していると
いわれています。猫ちゃんがフィラリアに寄生した場合、稀に喘息の様な咳や呼吸困難、
嘔吐がみられたり、突然死することがあるといわれております。
〈 獣医師 大島 〉