例年よりも早く梅雨入りし、天気がすぐれない日々が続いておりましたが、今日は久しぶりに晴れ、少し気持ちがいいですね。
6月に入り、フィラリア予防薬の投与がスタートしました。もし、お手元に予防薬をお持ちでない方は、お早めに取りに来てあげて下さい。
今日は、「会陰ヘルニア」という病気についてご紹介いたします。
この病気は去勢手術をしていない高齢の♂のワンちゃんに発生することが多いです。
お尻の筋肉の一部が縮んでしまい、筋肉と筋肉の間に隙間ができ、この隙間からお腹の中の脂肪や臓器が出てきたり、直腸が蛇行してしまう病気です。通常、肛門の横に隙間ができるので、その部位が腫れてきます。
一番よくみられる症状は、排便困難です。
写真のワンちゃんは、「排便がしづらそう、お尻周りが腫れている。最近、元気・食欲もなくなってきた」と、いうことで来院されました。上記のように直腸が蛇行しており、そのため排便が上手く行えず、蛇行している部分にウンチが溜まっている状況になっておりました。ウンチをしたいのに、上手く出せないのはとてもつらいです・・・。
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肛門の周囲が全体的に腫れています。
ここにお腹の中の脂肪や臓器が飛び出てきてしまっている状態になっています。 |
この病気の治療は原則として手術となります。
お尻周りの筋肉の隙間をなくすことで、お腹の中の臓器を本来あるべき位置に戻してあげることになります。
写真のワンちゃんは手術も無事に終わり、現在は元気食欲ともに良好です。
後は便がスムーズに出てくれるのを確認できたら退院です。
≪獣医師 大島≫